【対象年齢:3歳〜】

おおかみと七ひきのこやぎ(グリム童話)

フェリクス・ホフマン絵

せたていじ訳

福音館書店 1967年(オリジナルは1957年)


グリム童話は絵本に始まり、やがて自分で読めるようになれば童話を読み、大人になって「本当のグリム童話」を読むというくらい人生を通して付き合いのある童話です。

 

この「おおかみと七ひきのこやぎ」も知らない人はいないくらい有名なお話ですので、今更私が内容を説明することもないでしょう。グリム童話は民話や昔話がもとになっていて、それを年齢に応じて少しずつ内容を改変しているのが特徴です。また、本作と赤ずきんちゃんの類似性(というかほとんど同じ内容)も、対象が誰に向かって語られたかという点が違うだけで、元々のお話は同じだったのではないかと推測します。。。

 

日本では狼が絶滅して久しく、狼の怖さというのが今ひとつピンとこないのですが、ヨーロッパでは恐ろしいものの代表選手のようになにかと登場します。こやぎたちを騙すために人間のところで粉だのチョークだのを入手する狼に立てつける人間はひとりもいません。そのままではこやぎたちが食われてしまうのがわかっていても、自分の命惜しさに品物を次々と差し出してしまいます。

 

こんなんですから、こやぎたちが狼におそわれるとわかっていてもだれも助けようとはしませんでした。その結果はご存知の通りです。しかし狼も狙った相手がヤギだったのは運が悪かったと言えます。ヤギは悪魔の使いなのです。案の定子らは腹の中で消化されることもなく、狼は母ヤギに腹を切り開かれて石を詰められて溺れ死んでしまいます。

 

小さい頃は単純に悪いやつ(狼)が天罰をうけて死んだだけのお話ですが、年齢を重ねるごとに深読みをせざるを得ない物語がそこに秘められている、それがグリム童話なのではないでしょうか。