【対象年齢:1歳半〜】

ねずみさんのながいパン

多田ヒロシ作

こぐま社 2000年


絵本、とりわけ小さい子どものための絵本には繰り返しという手法がよく使われます。語彙力や理解力に乏しい子どもは繰り返し繰り返し聞かせることでその意味や内容を理解していきます。ですから絵本でも精緻を極めた起承転結よりも、単純な繰り返しが多いのは当然かもしれません。

 

この「ねずみさんのながいパン」も繰り返しが使われています。パンを手にした一匹のねずみが自宅を目指しているのですが、どういうわけか余所のうちのドアを開けてしまいます。その度にそこじゃなかったと、また別のうちへ別のうちへと繰り返していくのです。そしてようやく自宅にたどり着いてお話は終わります。

 

余所のうちはみんな別の動物たちが暮らすうちです。子どもたちは本書を通して動物の名前を覚えたりそこに描いてあるものの名前を知ったりするのです。単純な繰り返しが子どもの知的好奇心を刺激するのです。それも楽しみながら。