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非破壊検査

サナギ発見から1週間。サナギは黒色に変化して、これはもうすでに死んでいるのではないかという憶測が経ったが、もしかすると黒い蝶かもしれないという希望的観測のもとにしばらく様子を見た。

しかし、黒ずみは広がる一方で、私の経験からも今までに見たことがない色合いになったことから本日非破壊検査を実施。638nm光線を照射したところ、サナギの中身は空洞化が進んでおり、本日正式にサナギの死亡を報告する。

 

死亡原因は低体温症と推察。サナギ発見まで冷蔵庫に保管された事実からサナギの内部で営まれるメタモルフォーゼが停止し、よってサナギの生命活動に終止符が打たれたものと見られる。サナギの黒色化はもちろん黒蝶ではなく、サナギの外殻の壊死が進んでいたもので、鼻を近づければすでに異臭も立ち始めていた。

 

久しぶり、何十年ぶりかに蝶の羽化が見られると浮かれていたのであるが、超残念です。