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セミ三昧

暑すぎるからといって部屋に閉じこもっていると子どもたちはエネルギーを発散する場を失って機嫌が悪くなる。だから真夏だろうと猛暑だろうと一日一度は外へでないといけない。

 

午前9時の時点ですでに気温は33度に達し太陽の高さが増すほどに今日もまた猛暑日になる予感。週末の猿江公園は閑散としていると思いきやテニスコートでは大会が催され、多くのひとがジョギングにいそしんでいた。親子連れも多い。しかし普段は子どもたちでいっぱいになる遊具エリアには人っ子一人いない。当たり前か。滑り台など火傷する熱さであろう。

 

では親子たちはどこにいるのかというと木々が植えられた木陰にいる。虫かごやビニール袋いっぱいにセミの抜け殻を集めている子どもが多い。うちの子もセミの抜け殻が大好きだ。しかしそこら中にあるアブラゼミの抜け殻など面白くない(ぼくが)ので、セミ好きでなければ気がつくことがないニイニイゼミの抜け殻を集めようよと息子に提案する。以前ニイニイゼミの抜け殻を収集した日からだいぶ経ってまた多くのニイニイゼミが羽化したようだ。

ほらこんなに採れた。

 

本当はこの倍採れたが持ちきれないので捨ててしまった。ニイニイゼミの抜け殻はなんとも味わい深いと感じるのはぼくだけだろうか。抜け殻を散々集めていたが、はっきりいってきりがない。それにセミ素手取り名人としてセミ本体を捕獲しないまま終わるというのはその名の沽券に関わるではないか。自分でいうのはなんだが誰も言ってくれないので言ってしまうとぼくはセミの素手取り名人である。木々に目を凝らしてさがしているといたいたニイニイゼミくん発見だ。チョウーワッターッ!!!

 

ふっふっふ。とまあこんな具合である。ちなみにメスだったのでニイニイゼミちゃんでした。捕まえたセミは息子に持たせてやり息子が逃してやる。ニイニイゼミもいいがそろそろ大物を捕獲して親の威厳を格上げしたいところだ。しかし日が高くなるにつれセミたちはどんどん木の上のほうへと言ってしまう。時間はない。公園を移動してさらにあっちこっちをサーチしているといたいたミンミンゼミではないか。

ヒュウオゥオゥオゥフーワチャオウーッ!!!

 

とまあこんな具合である。こちらもメスだった。目の間にある小さな赤い点が三つあるだろ、これが複眼といってこれも目なんだよと息子に教える。やはり実物を見ながらは話が早い。これもまた息子が自分の手で逃してやる。ぼくは大物を捕まえたので無事にミッションコンプリートの気分である。気温もだいぶ上がってきた。いつも元気な息子くんもさすがにぐったりしてきたので帰ろうということになった。その時目の端にアブラゼミの姿が映った。

チョゥウワタッタタターーーァ!!!

 

とまあこんな具合である。息子くんお疲れのところの作り笑いありがとう。アイスクリーム食べて帰ろうね。セミがたくさん捕れて大満足だね。お父さんもキミが昆虫好きになってくれてうれしいよ。