· 

今月の読書会

今月も朝会の日がやってきました。朝会と言えばもはや欠かせないコンテンツとなった読書会です。朝会の話は橘さんがブログに書いてくれているのでそちらをご覧頂きたい。

 

ちなみに朝会参加者全員が本を持ってきているわけではない。聞くだけ参加者というのも

まったく問題ないのです。今回も朝会参加者5人のうち本を持ってきたのは3人。私と橘さんと

最近コンスタントに朝会に来てくれるようになったAさん。

 

さて、まず私から。私が持ってきたのはディケンズの荒涼館と馬場あき子の風姿花伝である。

荒涼館はディケンズの作品の中で二番目にすきな本である。ディケンズの他の作品にはない圧倒的な人物描写が凄い。ディケンズと言えば直線的な物語を書く作家という印象が強いが、この荒涼館は別である。後半の後半になってようやくディケンズらしいわかりやすい内容になっていくが、それまではいつにはじまったのか定かでなくなったジャーンディス対ジャーンディス裁判を軸に迷宮のように話が折り重なっていく。そしてその重奏感もまた凄いのである。まったく凄い作品なのである。ちなみに一番好きなのはデイヴィッド・コパフィールドです。

 

「風姿花伝」は能を能と名付けた世阿弥が書いた演劇に関する指南書である。この本はその解説書といえるようなものである。今能にはまりつつある。先日生まれて初めて能を観賞して、その能の魅力を知ってしまったのである。奥深き能の世界に足を踏み入れてしまったのである。「秘すれば花なり、秘さずは花なるべからず」「初心忘るべからず」これらは皆世阿弥の言葉である。

 

橘さんの本は安定の仕事・ビジネス書である。「本気で社員を幸せにする会社」に掲載された一社は従業員の出退勤を一切管理しないという。来たけりゃ来ればいいし、休みたければ休めばいい。一切申告無用という。結果業績が上がったらしい。作業したら作業した分だけお金になる業態というものあるのだろうが、管理しないのもまた管理ということらしい。

 

「仕事ごっこ」は仕事してるつもりでそれ仕事になってませんよねという話を細分化して紹介している本だった。私の知らないビジネス用語がたくさんあって世の中いろいろ流行っているようだが、まともに機能しているのは少数らしい。

 

「東大生の本棚」はとくべつ面白くて持ってきたわけではなくて、前回私が持ってきたファインマンさんの本が出ていたからという理由だった。話題の本らしいが世の中まだまだ東大ブランドは強いんですね。

 

Aさんからは2冊。「堕落論」は戦後必死に頑張る日本人に対するアンチテーゼとして人気を博したらしい。人間堕ちるところまで堕ちればあとは這い上がるだけだ、ということらしい。現代でも通じるのではないかとAさんは言った。堕ちるところまで堕ち、たくないです。

 

「女たちよ!」はAさんの敬愛する伊丹十三の著作だ。どのくらい敬愛しているかというと、現代でも生きていてくれたら色々な指南を受けられるのになあというくらい敬愛しているそうです。本の中身はエッセイ集でスパゲッティの食べ方について書いてあったりなにかとこだわりの強い方だったのですね。

 

こんなところで今月の読書会はおしまいです。ではまた来月!