
本日は毎月定例である朝会であり、読書会を行いました。朝会の模様は橘さんが書いてくれると思いますので私は読書会について。
もはや朝会常連になったAさんは読書会のために一冊仕入れてきてくださり「ニッポン戦後サブカルチャー史」。
もともとは番組だったものを書籍化したものということで時代時代の映像がないのが書籍の欠点であるが、サブカルチャーの成り立ちから現代までの歴史を時系列で詳細に記してあり、こうした経緯に興味があるひとにはオススメの一冊。橘さんの琴線に触れた(もっと言えば橘さんの奥さまが大好物らしい)ようで借りて帰っていった。ちなみに本書はサブカルチャーとサブカルを分けて考えていて、サブカルと呼ばれるようになってからのサブカルチャーの変質についても論じているようです。
続いて前回から2回連続で門仲から参加のKさんは「ボッコちゃん」星新一著。
星新一の作品は男の子なら小学高学年から中学生にかけて一度はハマるでしょう。本作も昔読んだ記憶がありますが内容はすっかり忘れました。ただ星新一の著作はドライでコントラストのきついモノクロームのイメージが支配的でそれはどの作品を読んでも同じような印象を受けた記憶がある。長編がなくショートショートばかりなので本を所有したことがなく図書館で借りて読んだものだ。
橘さんからは「ビジネス書図鑑」「江東区のあゆみ」の2冊。
前者は巷に流行したビジネス書を著者の視点で要約して紹介する本。橘さんは内容はともかくこうした読書案内的書籍で新しい本を探しているそうです。残念ながら本書からは新しい発見はなかったそうです。
2冊めは自分が暮らす街の成り立ちが知りたくて購入した本とのこと。この本、江東区の特定の施設にて販売されているものだが、これこそ区民に無料で配るべきだとみんなの意見が一致した。江東区のあゆみと言っているが、この土地の成り立ちを江戸時代から綴っており地域ネタが好きな私も興味津々だったがさらに興味をしめしたAさんが借りていった。みんな自分が住む土地について知りたいものなのである。ですよね?
最後は「明恵上人」と「いまなぜ青山二郎なのか」を私から。
どちらも白洲正子著。
「明恵上人」は前回河合隼雄の「明恵夢を生きる」を読んでその流れで再読したもの。
河合隼雄さんが本書を読んで自分が書くことがなくなったと感じたほど明恵上人についてライブリィに描いており読めば明恵上人のファンになってしまうのは必然と感じる。河合隼雄著作が時代背景と夢の分析に重点を置いたのに対し、こちらは人生をまるでみてきたかのように写している。
京都の高山寺にはもちろん行ってみたいが、それよりも明恵が本当は一生を隠居していたかったという紀伊の田辺のほうを訪れてみたい。
後者は白洲正子繋がりでやはり過去の同時期に読んだ本を再読した。
骨董の目利きで芸術家であり「旦那遊び」に明け暮れた金持ちと言ってしまえばそれまでだが、骨董で金を使い尽くしても飄々とした態度はさっぱりとして気持ちがいい。骨董の審美眼に優れた氏の収蔵品の写真を見てもよくわからぬがそれもそのはず骨董とりわけ陶磁器の類は実際に手にとって愛でてみないことには良し悪しなどわかるはずがないと青山氏が言っている。
私はアンティークウォッチの愛好家であるが、陶器の類の骨董もまた同様の魅力を感じるから気をつけねばなるまい。
かようにして今回もまたバラエティに溢れるラインナップとなった。さて来月はどんな本が集まるだろうか。