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The Golden Month : DAY 10

お昼の時間が近くなったのでそろそろ帰ってお昼を食べようと言った。すると、

「オレはまだ帰りたくねえ!」

と怒鳴るので、ご飯食べてまた公園にくればいいじゃんと言うと、

「だってさ!いっつもいっつも焼きそばとかうどんとか焼きそばとかうどんとか、オレはそういうの食いたくねえんだよ!」

と目に涙を浮かべて絶叫する。絶叫というのが大げさでもなんでもなくて、たいへん激しくお叫びになる。

悪かったないっつも焼きそばとか焼きうどんで。だって楽なんだもん。

「じゃあ食べなくていいから帰ろう」と言うと、

「食べるっつってるんだろ!!!」

と身を捩って叫ぶ。その拍子に涙が地面に散った。

「なんだ食べるのか。そんなに嫌だったら無理に食べなくていいぞ」

「食べるっつってるんだろ!!!なんでそんな意地悪ゆうんだ!!」

ひとが一生懸命作っているものに文句を言われたら意地悪のひとつやふたつも言いたくなる。

(うるせえな)「じゃあ何が食べたいんだよ」

「オレはチャーハンが食べたいんだっ!!!」

 

そこで即座にチャーハンを作るから帰ろうと言えなかったのは、実はこの件の前に散々自己中心的な振る舞いによりぼくを怒らしたばかりだからである。

「とにかく帰るよ」

ぼくはチャーハンには言及せず自転車に乗るように促した。

 

このすぐあとにまた彼の中で問題発生となりそれによりさらに30分の足止めを食らった。

結局家に帰ろうと言ったのが11時だったのに、実際に公園を出たのは12時だった。

ぼくも頭に来まくり腹立ちまくりなんだけれども、それでも置いて帰らないのはそんな君を愛しているからだよ。

 

チャーハンも作ったさ。