
息子とじゃれあっていたときに頭を触ったら異物感があったのでちょっと頭を見せてみろと言ったら全力で拒否してきた。
やだやだやだやだ。
と言われても何かあったら大変なので嫌がる息子を抑え込んで頭皮をチェックした。幸い引っ掻いた傷が治ってかさぶたになっただけのようだったが、息子の拒否ぶりが半端でない。開放したあとにぼくのことを殴る蹴る(最近力がついてきて痛いんですけど)してバカヤローだのクソだの暴言の限りをつくして最終的には歯は磨くけどお風呂は入らないと宣言した。
そうか歯は磨くのか、えらいなあ。
息子はそのままベッドにあがってふとんにくるまってすねたのである。妻がぼくのところに寄ってきて小さな子は性的暴行などを受けても親に打ち明けることができないことがあって、そういう事件が最近多いらしいと教えてくれた。まさかうちの子がと思ったが、日頃から何でも打ち明けてくれる雰囲気を作っておくことが大事というわけで、ぼくはベッドにあがって添い寝した。
ねえねえ、頭の傷どうしたの?
言わない!
だって心配なんだよ?
教えない!
お父さんキミに嫌なことがあったら辛くなっちゃうなあ。お父さんはキミの味方なんだよ。だからなんでも教えてほしいなあ。
味方ってなに?
ああ、味方っていうのはキミのことを一番大事に思ってるってこと。
じゃあさ、じゃあさ、なんで妹ばっかり可愛がってオレのことちっとも可愛がんねーんだよ!
(そうきたか)
ソンナコトナイヨー。キミもかわいいよ。ほらこうして一緒にぎゅうぎゅうしてるじゃん。よしよししてるじゃん。
息子を悩ませる問題はいつも妹問題と決まっている。妹が赤ちゃん可愛がりされるのが許せなくて仕方がないのだ。しかし許せ息子よ。2,3歳児の可愛さというのは特別なのだ。そこは無条件降伏的可愛さであり、ついついぎゅうぎゅうちゅうちゅうしたくなってしまう可愛さであり、したがってキミが2,3歳のときは妹以上に可愛がられまくっていたのであるぞ。と、それを言ってもはじまらない。5歳児がだったらそれでイーブンかなどと考えるはずもなく、ただただひたすら減算方式によって妹登場以降両親の自分に対する愛情が目減りしたとだけと思うのである。
5歳と2歳では可愛がり方が違うのだよと言ってもこれまた意味のないことである。ためしに妹と同じように赤ちゃん口調で可愛がってやったときの嬉しそうなこと!うへー穴の空いた50メートルプールを満たすのにそれしかないのか〜。でもキミがいつでもなんでも打ち明けられる親でいるためにお父さん努力するよ。プルプルプル。