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ああ念願のチョコアイスデート

公園のベンチでソフトクリームを食べるその姿に見惚れてるよ。なんて唄がどこかにあったが、あれは間違いなく3歳児がアイスを食べているシーンを歌ったものである。なんてったってその豪快さや仕草、完全なる不注意さはまったく見るに飽きないものであり、いつその塊がぽとりと地面に落ちやしないかとヒヤヒヤさせるスリルさえ味わえるのだから。

 

ぼくは息子とだいぶベンチでアイスを食べてきたが、どうやったらそんなに口中をチョコまみれにできるのか不思議なくらいチョコだらけにして、口じゃなくてそのぷにぷにのほっぺで食べてるんじゃないかってほどにアイスを顔に押し付けて食べていたのはもう遠い昔のこと。6歳になった息子はもう地面にアイスをポトリすることもないし、口のまわりをたいして汚さないでアイスを食べられるようになって嬉しい反面一抹の寂しさを感じる親心の矛盾。

 

だが希望はルークの他にもうひとりあったように、我が家にもひとり先日チョコアイスデビューを華々しく飾ったものがいる。

 

その食べる仕草など兄ゆずりであり、今度は顔中のチョコに加えて風でまきつく髪の毛までもチョコレートを纏わせる。しかしそんなこたあご本人はどこ吹く風とただひたすらアイスに向かって顔を押し付けている。大人になると指先についたほんの少しのチョコレートさえもベタベタして気持ち悪がるのに、子どもときたら全身チョコまみれになったって平気だろう。我が娘もチョコアイスが相当嬉しかったのか、満面の笑みとピースサインを何度も披露してくれて、ぼくを大変幸せな気分にさせてくれました。おしまい。