学校どう?と聞けば学童から話していい?という息子。なんで、学校は?だってつまんないんだもん。
お父さんもさあ、勉強嫌いだったんだよね。でも大学生になってから勉強が好きになった。でもさあ、それじゃあ遅いんだよ。キミにはもっとはやく勉強することの楽しさを知ってほしいんだなあ。どうしたらいいかなあ。
お父さん勉強嫌いだったの?
そう大っきらいだった。だからさあ、学校が嫌で嫌でさあ。でもそれってもったいないだろう?だって、大学まで何年ある?
え?
小学校6年、中学3年、高校3年なの。全部で何年?
息子は指を折りながら数え始めた。行ったり来たりして、「16年」と言った。
うん?それどういう式なの?
あ、ちょっと待って。そういってまた指を折って数える。「15年だった」。
そっか。それ式教えてよ。
6足す3足す3足す…。と言いながら指を一本一本広げて、「…15?」
ん?もいっかい式言って?
6+3+3+3。
大学はいれなくていいんだよ。大学まで何年あるって聞いたの。それに大学は4年あるんだよ。
4年!4年もあるのか〜。
もう一回式教えて。
6+3+3……12?
そう12年。勉強つまんないと12年無駄にしちゃうわけ。俺はね、12年毎日はやく終わんないかなあ終わんないかなあって過ごしたの。だからなんにもならなかったの。キミにはそういうふうに過ごしてほしくないんだよね。でもさ、お父さんにもどうしたらいいかわからないんだよなあ。
息子は話題に退屈したと見えてお湯の中に口をつけてぶくぶく泡を立てていた。