「おとうさんほんといじわるだよね」
娘が出し抜けにそういった。もっとも大体娘はいつも出し抜けである。
「え、なんでよ」
「だってさ、ゴミの袋いつもお兄ちゃんとわたしに持たせてさ、自分はなにも持たないでさ、捨てさせるじゃん」
ああなんだ、そんなことか。毎朝ゴミ捨て場に行くときのことを出し抜けに思い出したらしい。
ぼくがゴミ袋を持って行こうとすると自分たちが持つといって奪い合うのは一体だれだろうか。
ぼくはそのことを告げて、
「別にだれも頼んでないよ」と付け加えた。
すると言い終わるかどうかのところで強烈なパンチが飛んできた。