
水仙
お寺の和尚さんがお花をあげようといって、庭に咲いていた水仙をたくさんくれた。
子どもたちは自分で取りたいといって、何本も茎を引きちぎって取った。娘は引っ張った拍子に尻もちをついた。そしたら和尚さんは大きなかぶだと言って笑った。
もらった水仙は二つに分けて居間とトイレに飾った。トイレは空間が狭いから、またたく間に水仙の甘い香りでいっぱいになった。
トイレのドアが開いていたので中をのぞくと息子がうんこをしていた。ドアくらい閉めなさいよといってドアを閉じようとすると息子がいった。
「水仙は換気扇の代わりになるね。」
なるほどその発想は面白いねと思った。
今度は娘がトイレに入っていった。
「水仙は扇風機の代わりになるね。」
兄と同じことを言っている。やっぱり君たちは兄弟だなあ。そして自然の香りが大好きなのも一緒だなあ。